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永石 隆二; 木村 貴海; Sinha, S. P.*
Molecular Physics, 101(7), p.1007 - 1014, 2003/01
被引用回数:19 パーセンタイル:52.78(Chemistry, Physical)高濃度炭酸溶液中で希土類(III)イオンは、4つの炭酸イオンが配位した錯体[Ln(CO)]を形成する。この炭酸錯体は8配位構造を持つため、水和イオン[Ln(HO)](n=8,9)とは異なり、その強度・位置ともに特徴的な励起・発光ピークを持ったスペクトルが観測できる。また、この錯体は第1配位圏に水分子を持たないため、より多くの希土類イオンの発光がより長寿命で観測できると考えられる。本研究ではPr(4f)からTm(4f)までの10元素(Pmを除く)について炭酸錯体の発光の有無を調べ、Pr,Ho及びErを除いた7元素の発光を観測した。ここで、励起・発光スペクトル中のそれぞれのピークを電子状態間の遷移として帰属し、炭酸錯体に特徴的な遷移を見いだすとともに、水和イオンと炭酸錯体の配位環境の違いを定量的に明らかにした。さらに、HO及びDO溶液中での発光寿命から、励起した炭酸錯体の無輻射緩和がエネルギーギャップ則に従うこと、発光寿命の水素同位体効果が金属の内圏に配位している炭酸イオンのC-O振動エネルギーと深く関連していることを明らかにした。
木村 貴海; 永石 隆二; 尾崎 卓郎; 有阪 真*; 吉田 善行
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.233 - 239, 2002/11
高温高圧水溶液(水熱溶液)は種々の地球環境において見いだすことができるが、水熱条件下でのウランの加水分解,錯形成などに関する実験的研究はきわめて少ない。水熱溶液中で金属イオンの分光測定を行うための光学セルを開発し、時間分解レーザー誘起発光分光法と組み合わせてウラン(VI)の発光特性の測定から状態分析(スペシエーション)を試みた。溶液の温度(298-473K),圧力(0.1-40MPa),pH,配位子濃度などをパラメータとして、ウラン(VI)の発光スペクトル及び発光寿命を測定し、熱力学モデル及びデータに基づいて計算した溶存種分布と比較した。発光寿命の温度依存性から、ウラン(VI)の水和イオン,加水分解種,硫酸錯体,及びフッ化物錯体の活性化エネルギーを決定した。これらの結果から、ウラン(VI)溶存種の計算に用いたモデル及びデータの妥当性を新溶存種生成の可能性とともに議論する。
木村 貴海; 永石 隆二; 有阪 真*; 尾崎 卓郎; 吉田 善行
Radiochimica Acta, 90(9-11), p.715 - 719, 2002/11
被引用回数:15 パーセンタイル:67.86(Chemistry, Inorganic & Nuclear)水熱溶液(高温高圧水溶液)は種々の地球環境において見いだすことができるが、水熱条件下でのf元素の実験的研究はきわめて少ない。水熱溶液中でf元素の分光学的状態分析を行うための光学セルを調製した。この光学セルは、常温常圧から723K及び40MPaまでの温度、圧力をそれぞれ制御できるため、発光及び吸収分光法と組み合わせて水熱条件下でのf元素の酸化還元,加水分解,錯形成などの分光学的研究が可能である。本装置を水熱溶液中のEu(III)に適用し、発光特性(発光スペクトル,発光寿命)の温度・圧力依存性を測定した。発光特性に圧力依存性は見いだされなかったが、約500Kを境に温度依存性が大きく変化した。(1)励起Eu(III)から配位水和水へのエネルギー移動,(2)Eu(III)の加水分解,(3)Eu(III)/Eu(II)平衡などの温度依存性からこの変化を考察した。
木村 貴海; 永石 隆二; 加藤 義春; 吉田 善行
Journal of Alloys and Compounds, 323-324(1-4), p.164 - 168, 2001/07
被引用回数:50 パーセンタイル:87.64(Chemistry, Physical)水-非水溶媒2成分混合系に溶解したEu(III)の第1配位圏内の溶媒組成を発光寿命の測定により研究した。ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルスルホキシド、メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ホルムアミドまたはジメチルアセトアミドと水との混合系において、第1配位圏内の水分子数(内部水和数)を決定するとともに、非水溶媒分子がEu(III)に優先的に溶媒和することを明らかにした。一方、ピリジン、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、アセトンまたはアセトニトリルと水と混合系では溶媒和に比べて水和が強く、溶媒分子自身による消光なども影響するため、内部水和数の直接決定は困難であった。各混合系において、溶媒和の強さはバルク溶媒組成とともに大きく変化した。溶媒和の強さは溶媒のドナー数(電子供与性)及び双極子モーメント(静電的相互作用)の順序にほぼ一値したが、一部、溶媒分子の立体的障害も影響することを明らかにした。
Lis, S.*; 木村 貴海; 吉田 善行
Journal of Alloys and Compounds, 323-324, p.125 - 127, 2001/07
被引用回数:32 パーセンタイル:79.27(Chemistry, Physical)アジドイオン[N]を含む水溶液中のランタノイド(III)イオン[Ln=Nd, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy]の発光寿命を測定し、Nの消光効果を評価した。NはEu,Gd及びTbを強く消光し、その順序はGdEuTbであった。これは、発光準位と基底状態間のエネルギー差の順序(GdTbEu)と異なり、EuのEuへの光還元が示唆された。一方、Nd,Sm及びDyではNの消光効果は見られなかった。
木村 貴海; 永石 隆二; 加藤 義春; 吉田 善行
Radiochimica Acta, 89(3), p.125 - 130, 2001/05
被引用回数:66 パーセンタイル:96.81(Chemistry, Inorganic & Nuclear)非水溶媒及び混合溶媒中でのアクチノイド[An=Am, Cm](III)及びランタノイド[Ln=Nd, Sm, Eu, Tb, Dy](III)の発光寿命の測定から、それらの溶媒和挙動を研究した。ジメチルスルホキシド(DMSO),ジメチルホルムアミド(DMF),メタノール(MeOH),水(HO),及びそれらの重水素化溶媒中でのAn(III)とLn(III)の発光寿命(,)から評価した溶媒による無放射緩和速度はHOMeOHDMFDMSOの順であり、Ln(III)に比べAn(III)はより強く溶媒と相互作用することを見いだした。発光寿命の水素同位体効果/は、HO中でEu(III)、MeOHとDMF中でSm(III)、DMSO中でSm(III)とDy(III)が最大であった。混合溶媒(DMSO+HO,DMF+HO,MeOH+HO)中でのCm(III)及びLn(III)への溶媒和の強さはDMSODMFHOMeOHの順であり、これは溶媒の相対的な塩基性の強さ、双極子モーメントの大きさと一致した。さらに、この結果からイオンの水-非水溶媒間移行のギブズ自由エネルギーを評価した。
木村 貴海; 加藤 義春; 武石 秀世; 高橋 嘉夫*; 薬袋 佳孝*; Choppin, G. R.*
Proceedings of OECD/NEA Workshop on Evaluation of Speciation Technology, p.61 - 81, 1999/00
金属イオンの第1水和圏内の水分子数(内部水和数N)は、化学種の配位環境に関する分子レベルの情報を提供する。時間分解発光法を用いてIII価アクチノイドAn(III)[An=Am,Cm]及びランタノイドLn(III)[Ln=Nd,Sm,Eu,Tb,Dy]の発光寿命とHの相関を系統的に研究した。DO-HO混合溶液中のHOの濃度と1/の比例関係及びHO中におけるNの値から、測定によるHO評価のための相関関係を提案した。これらの関係をポリアミノポリカルボン酸錯体中のAn(III)とLn(III)の水和状態、陽イオン交換樹脂へのCm(III)とEu(III)の分離挙動、及びシリカ、粘土鉱物へのEu(III)の吸着挙動の研究に適用し、上記の方法が種々の環境におけるAn(III)及びLn(III)の化学種の解明に有効な手段であることを実証した。
木村 貴海; 加藤 義春
Journal of Alloys and Compounds, 275-277, p.806 - 810, 1998/00
被引用回数:110 パーセンタイル:96.67(Chemistry, Physical)ランタノイド[Ln](III)イオンの内部水和数Nと発光寿命との相関を調べるために、一連のポリアミノポリカルボン酸を配位子とするLn(III)錯体[Ln=Sm,Eu,Tb,Dy]の水和状態を詳細に研究した。DO-HO溶液中のLn(III)の発光寿命測定から得た直線相関と、前に報告したHO中でのNから、錯体中のNを評価した。各錯体中のEu(III)とTb(III)の平均のNは文献値とよく一致した。Sm(III)とDy(III)の最低励起状態と基底状態のエネルギー差はほぼ等しいため同様な消光挙動が期待できるが、測定したSm(III)のNはDy(III)のそれより大きな値を示した。また、DO中の錯体の発光寿命の測定では、これらの配位子によるLn(III)の消光はみられなかった。これらの結果は、Sm(III)の総配位数はEu(III),Tb(III)及びDy(III)よりも約1大きいことを示唆する。Ln(III)のN決定のための相関関係の導出を検討した。
木村 貴海; 加藤 義春
Journal of Alloys and Compounds, 278, p.92 - 97, 1998/00
被引用回数:69 パーセンタイル:92.91(Chemistry, Physical)時間分解蛍光法を用いて、流動(室温)及び凍結(液体窒素温度)状態にある高濃度塩溶液(NaCl,NaNo及びNaClO)中のランタノイド[Ln](III)イオン[Ln=Sm,Eu,Tb,Dy]の内部水和数Nを発光寿命測定により研究した。凍結溶液中のLn(III)の消光挙動は、流動溶液と同様にイオンの励起状態から水和水のOH振動へのエネルギー移動によることを明らかにした。各温度でのDO-HO溶液中のLn(III)の発光寿命測定から得た直線相関と、前に報告したHO中でのNから塩溶液中のNを評価した。流動溶液中でのLn(III)のNから、NOは内圏錯体を生成するがClとClOは生成しないこと、ClOは高濃度で水和水の消光効果を促進することを明らかにした。一方、凍結溶液中では、ClとNOが内圏錯体を生成しNが約1及び2~3減少すること、ClOは高濃度でも水和に全く影響しないことを見出した。
宮武 陽子*; 長谷 博友*; 松浦 かおる*; 田口 光正; 星野 幹雄*; 荒井 重義*
Journal of Physical Chemistry B, 102(43), p.8389 - 8394, 1998/00
被引用回数:6 パーセンタイル:21.78(Chemistry, Physical)硝酸銀及び過塩素酸銀のエタノール及びMTHF溶液を77Kで線照射することによりAgの電子捕獲反応が起こり、Ag原子が生成した。定常的発光測定により500nmと580nm付近の2種類の発光バンドが観測され、時間分解測定からそれぞれの発光寿命が得られた。Agの濃度を高くしていった時には、500nmのバンドは増大したが、それに付随して580nmのバンドの強度は減少した。500nmのバンドは次の3成分からなっていることが分かった。1.寿命1s,Ag-Agのエキサイプレックスの発光、2.寿命2s,弱いながらも溶媒とカップリングしているAgからの発光、3.寿命3s,溶媒とほとんど相互作用の無い状態でのAgからの発光。一方、580nmのバンドは1s程度で立ち上がり、40~50sで減衰した。このバンドは溶媒とAgとのエキサイプレックスに帰属された。
高橋 嘉夫*; 木村 貴海; 加藤 義春; 薬袋 佳孝*; 富永 健*
Radiochimica Acta, 82, p.227 - 232, 1998/00
固液界面での反応の研究では直接的な分光法による化学種の分析が不可欠である。本報では、水溶液中のモンモリロナイト、アエロシル上のEu(III)吸着種のキャラクタリゼーションにレーザー誘起蛍光法を適用した。モンモリロナイト系では、pH6でEu(III)の水和イオンが吸着した。このpH範囲でモンモリロナイト表面の水層によると思われる励起Eu(III)の消光が見られた。8pH13では5~7の内部水和水を失ったEu(III)が吸着した。この化学種は炭酸錯体などの無機錯体と考えられる。またpH9ではEu(III)沈殿によると考えられる短寿命(100s)成分がみられた。アエロシル系では、pH6でEu(III)は吸着した。Eu(III)の発光寿命はきわめて長く、8pH11で吸着種の内部水和数は0.5~2であった。pH=7におけるこの値は4.5から2へと経時変化した。これから、吸着したEu(III)はアエロシルのSiOに取り込まれると考えられる。
木村 貴海
no journal, ,
科学研究費補助金(科研費)・新学術領域「地下から解き明かす宇宙の歴史と物質の進化」計画研究D01「極低放射能技術の最先端宇宙素粒子研究への応用」主催の「第6回極低放射能技術」研究会の組織委員からの依頼により、ランタノイドの発光寿命について講演する。上記研究では、溶液中ラドンを常時モニターするためバックグラウンドになりうるがまだ定量的に理解されていないガドリニウムイオンの発光現象を測定する。このために必要なランタノイドイオンの発光について、系統的に解説する。